介護老人保健施設(老健)とは?
特養・有料老人ホームとの違いを解説

サイト管理人
サイト管理人
祖父母の施設入居・父親の入院、緩和ケアを経験。実体験をもとに情報をお届けします。
「親が入院して、退院後にいきなり自宅へ戻るのは不安……」そんなときに候補になるのが介護老人保健施設(老健・ろうけん)です。
ひとことで言うと、老健は「在宅復帰を目指してリハビリを行う、病院と自宅の“中間”の施設」。原則として3〜6ヶ月の利用が想定された施設です。この記事では、老健の役割・入居条件・費用、そして特養や有料老人ホームとの違いを、施設選びを始めたばかりの家族向けにわかりやすく解説します。

① 介護老人保健施設(老健)とは?

介護老人保健施設(老健)は、介護保険制度で定められた公的な施設のひとつです。病気やけがで入院していた高齢者が、退院後に自宅へ戻ること(在宅復帰)を目指して、リハビリを中心としたケアを受ける施設です。

大きな特徴は、終のすみか(ずっと暮らし続ける場所)ではなく、あくまで「自宅へ帰るための一時的な施設」という点です。利用期間は原則として3〜6ヶ月が目安とされ、病院と自宅の“中間地点”のような役割を担っています。

✅ 老健の基本
  • 正式名称:介護老人保健施設(略して「老健」)
  • 目的:在宅復帰に向けたリハビリ・医療・介護の提供
  • 位置づけ:病院と自宅をつなぐ「中間施設」
  • 利用期間:原則3〜6ヶ月が目安(ずっと住み続ける施設ではない)
  • 運営:社会福祉法人・医療法人などの公的色の強い主体

② 老健の役割と特徴

老健の一番の役割は、「在宅復帰のサポート」です。そのため、ほかの介護施設に比べて医療・リハビリの体制が手厚いのが特徴です。

老健には医師が常勤しており、看護師や、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といったリハビリの専門職が配置されています。退院直後で体力や生活機能が落ちた状態から、自宅での暮らしに戻れるよう、計画的にリハビリを進めていきます。

✅ 老健の特徴
  • 医師が常勤し、看護師も配置されている(医療体制が手厚い)
  • 理学療法士・作業療法士などリハビリ専門職が常駐
  • 食事・入浴・排せつなどの介護も受けられる
  • 在宅復帰を目標に、リハビリ計画を立てて支援する
  • 「終のすみか」ではない(長期入居は基本的に想定されていない)

「退院はしたけれど、すぐに家で生活できるか不安」という時期を支えてくれる施設、とイメージするとわかりやすいです。

③ 入居条件・対象

老健に入居するには、いくつかの条件があります。検討を始める前に、次の点を確認しておきましょう。

✅ 老健の主な入居条件
  • 要介護度:原則として要介護1以上の認定を受けた方(要支援の方は対象外)
  • 年齢:原則65歳以上(特定疾病がある場合は40〜64歳でも対象になることがあります)
  • 状態:病状が安定していて、入院による治療よりもリハビリ・介護が必要な方
  • きっかけ:病院を退院した後の受け皿として利用するケースが多い
⚠️ 「ずっとは住めない」点に注意
老健は在宅復帰を目的とした施設のため、長期間の入居は基本的に想定されていません。おおむね3ヶ月ごとに自宅へ戻れるかどうかの判定が行われ、入居期間は3〜6ヶ月程度が一つの目安になります。「そのまま終のすみかにしたい」という目的には合わないため、長く暮らせる施設を探している場合は特養や有料老人ホームを並行して検討しましょう。

※入居条件は施設や状態によって異なります。詳細は施設や、お住まいの市区町村・地域包括支援センターの窓口にご確認ください。

④ 費用の目安

老健の費用は、おおむね月8〜15万円程度が目安です。公的な施設のため、民間の有料老人ホームより安く、終身利用を前提とした特養とのちょうど中間あたりの水準になることが多いです。

費用項目 目安 備考
入居一時金 原則 0円 公的施設のため一時金は基本的に不要
施設サービス費(自己負担分) 2〜5万円 介護保険適用・要介護度や自己負担割合で変動
居住費(部屋代) 1〜6万円 多床室か個室か、部屋タイプで差が出る
食費 4〜5万円 1日3食の費用
合計目安 8〜15万円/月 —

※上記は2026年時点のおおよその目安です。地域・施設・部屋タイプ・要介護度・自己負担割合(1〜3割)によって大きく異なります。正確な費用は各施設にご確認ください。

⚠️ 低所得の方には負担軽減制度があります
所得や資産が一定以下の方は、居住費・食費の自己負担が軽くなる「特定入所者介護サービス費(補足給付)」などの制度が使える場合があります。利用できるかどうかは、お住まいの市区町村・地域包括支援センターの窓口にご確認ください。

⑤ 特養・有料老人ホームとの違い

老健は「特養」「介護付き有料老人ホーム」と混同されがちですが、目的も期間も大きく異なります。違いを一覧にまとめました。

項目 介護老人保健施設(老健) 特別養護老人ホーム(特養) 介護付き有料老人ホーム
目的 在宅復帰に向けたリハビリ 長期の生活・介護(終のすみか) 長期の生活・介護
利用期間 原則3〜6ヶ月(短期) 終身(長期) 長期(終身も可)
月額費用の目安 8〜15万円 5〜15万円 15〜35万円
医療・リハビリ体制 医師常勤・リハビリ専門職あり(手厚い) 日常的な健康管理が中心 施設により差がある
入りやすさ 比較的入りやすい 待機が長いことが多い 比較的入りやすい
対象の要介護度 要介護1以上 原則 要介護3以上 自立〜要介護5(施設による)

※費用・条件は2026年時点の目安です。各施設・自治体で異なりますので、必ず直接ご確認ください。

💡 3施設の使い分けのイメージ
  • 老健:退院後、自宅に戻るためのリハビリ期間として一時的に使う
  • 特養:費用を抑えて長く暮らしたい。ただし待機が長め
  • 有料老人ホーム:費用は高めだが、すぐ入居でき長く住める

⑥ 向いている人・向いていない人

老健は目的がはっきりした施設なので、「合う・合わない」がわかりやすいのが特徴です。次のどちらに当てはまるかを確認してみましょう。

😊 老健が向いている人
  • 入院していて、退院後すぐに自宅生活へ戻るのが不安な方
  • リハビリをしっかり行って、自宅に帰ることを目指したい方
  • 医師・看護師がいる、医療面で安心できる環境を求める方
  • 自宅の介護環境を整える間、一時的な受け皿が必要な方
  • 費用を抑えつつリハビリ中心のケアを受けたい方
😔 老健が向いていない人
  • そのまま「終のすみか」として長く住み続けたい方
  • 在宅復帰の見込みがなく、長期の生活の場を探している方
  • ホテルのような手厚い生活サービスを重視する方
  • 住み替えを繰り返したくない方(数ヶ月ごとに判定がある)
⚠️ 「次の住まい」も早めに考えておく
老健は一時的な施設のため、利用中から「自宅に戻るのか、戻れない場合はどの施設へ移るのか」を考えておくと、退所のときに慌てずに済みます。判断に迷うときは、施設の相談員(支援相談員)や地域包括支援センターに早めに相談しておきましょう。
広告(PR)
老健の次の施設選びも、プロに相談できます
「退所後にどの施設へ移るか」「費用や条件に合う施設はどこか」——一人で調べるのは大変です。無料の相談サービスを使えば、条件に合った施設を提案してもらえます。
▶ 条件に合う施設を無料で相談する

📌 まとめ

  • 老健(介護老人保健施設)は、在宅復帰を目指してリハビリを行う「病院と自宅の中間施設」。
  • 利用期間は原則3〜6ヶ月が目安で、ずっと住み続ける「終のすみか」ではない。
  • 医師が常勤し、看護師・リハビリ専門職もいるため、医療・リハビリ体制が手厚い。
  • 入居条件は原則「要介護1以上・65歳以上」。退院後の受け皿として使われることが多い。
  • 費用は月8〜15万円程度が目安(2026年時点)で、特養と有料老人ホームの中間あたり。
  • 長く暮らす施設ではないため、退所後の住まいも早めに考えておくことが大切。
  • 費用・制度は2026年時点の目安。正確な情報は施設・市区町村・地域包括支援センターに確認を。

老健は「自宅に帰るための準備期間」を支えてくれる、心強い施設です。一方で長く住める場所ではないため、利用中から次の選択肢も並行して考えておくと安心です。施設選びで迷ったときは、ぜひ無料の相談サービスも活用してみてください。